鎌倉 水戸光圀が7日間ほど逗留「英勝寺」

 奥に入ると仏殿が南に向き、その前は関東大震災後に、小町に移されていた山門の再建が行われています。楼上(ろうじょう)にあった十六羅漢(らかん)像は収蔵庫や鎌倉国宝館に保存されています。
 仏殿の屋根は裳階(もこし)という下屋根をつけて2重になっており、軒下の「かえる股(また)」には十二支の彫刻があります。仏殿には徳川家光(いえみつ)寄進の阿弥陀三尊(あみださんぞん)像を中心に善導(ぜんどう)・法然(ほうねん)大師の木像が安置されています。

鎌倉 太田道灌の屋敷跡と伝える「英勝寺」

 太田道灌の屋敷跡と伝える。扇ケ谷にある浄土宗寺院。鎌倉唯一の尼寺。山号は東光山。寺地は太田道灌の屋敷跡と伝える。開山は英勝院長誉清春。徳川家康の側室でお勝の局といい、太田康資の女(むすめ)。寛永十三年え(1636)開堂供養。第一世庵主は水戸頼房の女小良姫(清因尼)。以来、住持は水戸家からむかえたので、水戸様の尼寺とされた。仏殿・祠堂・鐘楼・庫裡・書院・宝蔵庫などのたたずまいは美事である。

(「鎌倉 趣味の史跡めぐり」[文献]『市史』社寺編、小丸俊雄『東光山英勝寺』より)