鎌倉 太田道灌の屋敷跡と伝わる「英勝寺」

“ 英勝寺は、鎌倉にある唯一の尼寺。1636年(寛永13年)に建立された。
 開基は、英勝院尼で扇谷上杉氏に仕えた太田道灌の曾孫、太田資宗の娘。徳川家康に仕え、家康の命により水戸家初代の徳川頼房の養母となった。家康が没すると、出家して名を英勝院とあらためた。そして、先祖の供養とみずからの後生のため、寺を開くことを幕府に申し入れ、1636年11月に仏殿が完成した。その後、代々、水戸家の娘が住持となった。
 お勝の方(英勝院尼)の逸話。あるとき江戸城内で家康公が大勢の家臣たちとの雑談の折、「およそ食物のうち、一番うまいものは何じゃ?」とご下問があった。めいめい一番うまいものを言ったが、お勝の方は「塩でございます。およそ食物の味をひきたて、旨くするも、まずくするも、塩加減ひとつでございます」と答えた。料理で苦労した人でもあったのでしょう。”