急な石段を上ると、正面に弁天堂(べんてんどう)があります。その左側には、「正安三年」(1301年)の年号が記された梵鐘(ぼんしょう)(国宝)があります。この梵鐘は、北条貞時が物部国光(もののべくにみつ)に造らせた鎌倉時代の代表的な名鐘の一つで、高さは2.59mもあり、関東地方最大の鐘です。また、鐘楼(しょうろう)の鰐口(わにぐち)には「天文九年」(1540年)の年号が記されています。弁天堂は、麓鐘が江の島弁財天の教えによって鋳造(ちゅうぞう)に成功したという伝説により建てられています。
鎌倉市教育委員会発行「かまくら子ども風土記(13版)」より