尾道 江戸時代、伝書鳩と米相場 「浄土寺」

伝書鳩と米相場 広島県尾道市 浄土寺

 江戸時代のことです。お米の商いをしている商人が浄土寺におまいりに行きました。
 お和尚さんに奉納のお金を渡すとき「大阪の米相場が安いんで、これだけしか奉納ができないんです、申し訳ございません」と言って渡しました。
 和尚さんは「どうもありがとう、でも大変ですね。ところで大阪の米相場って、そんなに上がり下がりするんですか?」と言いました。
 すると「米相場はそうなんですよ、米の相場が分かれば、もっと安心して商いができるのですがね」と言いました。
 すると、和尚さんは「このお寺の言い伝えに、源氏が伝書鳩を使って連絡をしていたっていう話が伝わっています。どうですか、伝書鳩を使ってみたらどうですか」といました。
 すると、大阪の商人は「伝書鳩は江戸幕府が禁止してるんだよ、残念だなぁ」と言いました。
 詳しく聞きますと、「大阪で伝書鳩を使った商人が捕らえられて、大きな処罰をされたそうです。そのため今は一切そんなことはしてない、無理だ!」と言いました。
 すると、大阪の商人は「伝書鳩は江戸幕府が禁止してるんだよ、残念だなぁ」と言いました。………

尾道 境内地全域が国宝の「浄土寺」

 聖徳太子が創建したと伝えられる。多くの文化財をがあり“寺の町尾道”の中でも由緒ある寺院として、訪れる人も多く、境内にハトがたくさんいます。ハトのえさを持っていると腕や手に飛んできます。
 また、三体もの聖徳太子像を所蔵しています。しかも全てが国の重要文化財に指定されています。これだけの重要な聖徳太子像を三体も所蔵している寺は法隆寺以外にはありません。
 足利尊氏が九州平定や湊川の戦の際、戦勝祈願をした寺としても有名です。
 「本堂」「多宝塔」は国宝、「山門」「阿弥陀堂」は国重文、境内一帯は国指定文化財に指定されています。