中国から日本へ渡来した無学祖元は、元の襲来を前にした北条時宗に、一喝を加えて励ました。「莫煩悩(まくぼんのう)」=「煩悩する莫(なか)れ」現在の情況をありのまま見ることを怠り、ありもしない妄想にふりまわされてノイローゼになることを戒めたのだ。元軍20万の妄想を払うと、作戦がはっきりしてきた。
北条時宗は元寇を退けたものの、異国相手では没収できる土地がなく、手柄のあった者にもわずかな恩賞しか与えられなかった。このため、多くの武士が幕府に反感を抱く。こうして鎌倉幕府は衰退へと向かっていくのだった。