潮声山 耕三寺(浄土真宗) 千仏洞地獄峡
尾道市瀬戸田町瀬戸田 標高:16.7m
浄土信仰が普及した平安時代以降、極楽浄土に往生の叶わない衆生は、必ず地獄へ堕ちるという信仰が強まり、地蔵に対して地獄における責め苦からの救済を欣求するようになった。地獄・餓鬼・修羅など六道をめぐりながら、人々の苦難を身代わりとなり受け救う、代受苦の菩薩とされた。
地獄ゾーンが始まります。
第一 等活地獄。
生き物を殺した罪。
第二 黒縄地獄。
生き物を殺した罪、盗みの罪。
第三 集合地獄。
生き物を殺した罪、盗みの罪、邪淫の罪。
想地獄の別名を持つ。いたずらに生き物の命を断つ者がこの地獄に堕ち、ケラ・アリ・蚊(カ)・蝱(アブ)の小虫を殺した者も、懺悔しなければ必ずこの地獄に堕ちると説かれている。また、生前争いが好きだった者や、反乱で死んだ者もここに落ちると言われている。
山の上に鉄の幢(はたほこ)を立て、鉄の縄をはり、罪人に鉄の山を背負わせて縄の上を渡らせる。すると罪人は縄から落ちて砕け、あるいは鉄の鼎(かなえ)に突き落とされて煮られる。
先の二つに加えて淫らな行いを繰り返した者が落ちる。 黒縄地獄の下に位置し、その10倍の苦を受ける。多くの罪人が、相対する鉄の山が両方から崩れ落ち、圧殺されるなどの苦を受ける。
第四 叫喚地獄。
生き物を殺した罪、盗みの罪、邪淫の罪、飲酒の罪。
第五 大叫喚地獄。
生き物を殺した罪、盗みの罪、邪淫の罪、飲酒の罪、嘘をつく罪。
酒に毒を入れて人殺しをしたり、他人に酒を飲ませて悪事を働くように仕向けたりすることなども叫喚地獄に堕ちる条件になる。 熱湯の大釜や猛火の鉄室に入れられ、号泣、叫喚する。その泣き喚き、許しを請い哀願する声を聞いた獄卒はさらに怒り狂い、罪人をますます責めさいなむ。
叫喚地獄で使われる鍋や釜より大きな物が使われ、更に大きな苦を受け叫び喚(な)く。
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第六 焦熱地獄。
生き物を殺した罪、盗みの罪、邪淫の罪、飲酒の罪、嘘をつく罪、邪見の罪。
第七 大焦熱地獄。
生き物を殺した罪、盗みの罪、邪淫の罪、飲酒の罪、嘘をつく罪、邪見の罪、清浄戒をたもちたる尼を汚したるもの。
第八 阿鼻地獄。
五逆罪 大乗を誹謗したるもの。
常に極熱で焼かれ焦げる。赤く熱した鉄板の上で、また鉄串に刺されて、またある者は目・鼻・口・手足などに分解されてそれぞれが炎で焼かれる。
更なる極熱で焼かれて焦げる。この地獄に落ちる罪人は、死の三日前から中有(転生待ち)の段階にも地獄と同じ苦しみを受ける。
剣樹、刀山、湯などの苦しみを絶え間(寸分・刹那)なく受ける。舌を抜き出されて100本の釘を打たれ、毒や火を吐く虫や大蛇に責めさいなまれ、熱鉄の山を上り下りさせられる。これまでの7つの地獄でさえ、この無間地獄に比べれば夢のような幸福であるという。