観音参りというのは、七福神巡りや、八十八カ所の霊場巡りによく似ていて、一番から三十三番まで順番をつけられた観音様を順番にお参りするというもの。
人々をあらゆる悩みから救うために観音様はさまざまに姿を変えているそうで、三十三観音のなかには、病気を祓(はら)い清める薬王観音がいたり、動物霊から守ってくれる馬頭観音がいたりします。
人気の秘密は、あまり余計な説教をせず、人間のあらゆる苦難や悩みを解決してくれるためです。
観音の三十三応身に由来する三十三観音霊場のはじまりははっきりしないのですが、巡礼が一般化するのには次のようなエピソードがあります。
養老二年(718)、大和の長谷寺の得道上人は死んで冥土に行ったのですが、閻魔に「日本には三十三ヵ所の観音霊場があるのに、人々はこれを知らない。観音の功徳は広く慈悲にあふれたものである。お前はこの霊場を世に広め、衆生を悪道から救うように務めよ」といわれて娑婆に追い返された。この上人が霊場を案内し、世に広めることに務めたのだ、といわれています。
三十三観音参拝順路