観音堂
高さ9.18m、漆箔寄木造の本尊 十一面観音像が安置されている。木製の観音様としては国内最大級のもの。
本堂に安置されている十一面観音菩薩像は、721年(養老五年)に当寺開山の徳道の本願によって、一本のクスノキの霊木から刻出された二体の観音像のうちのひとつという言い伝えが残っています。
徳道は、727年に奈良の長谷寺に十一面観音像を祀った僧で、巨木の一本のクスノキから二体の十一面
観音を彫らせ、一体を奈良長谷寺に、もう一体は行基が衆生済度を祈願して海中に投じたといいます。
その像はその後、736年(天平八年)に、いまでいう横須賀市長井の洋上に浮かび上がり、鎌倉へ遷され、同年に鎌倉長谷寺が創立されました。
しかし、この一本二仏の話は鎌倉にあって、奈良で
はあまり聞かないとのことです。
この十一面観音像は像高9.18mで、錫杖を右手にもつもので、奈良の長谷寺に祀られる十一面観音像と同じく「長谷寺式」とよばれています。ちなみに奈良の像は約10mの高さがあるそうです。
輪蔵(経蔵)… 経蔵中に設けて、経典を収納するための回転式の書棚。
経蔵中に設け、経典を収めておく書棚。転法輪の語にちなんで経架を六角にし、中央下部に機軸を装置して自由に回転できる。六角の各面に扉をつけ、大部の経典を取り出し閲覧しやすいようにした。信者がこれを一回転させると、看経するのと同じ功徳があるという。
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輪蔵の内部
輪蔵は観音御縁日(毎月18日)、正月三が日、4月8日(灌仏会)、8月10日(四萬六阡日)のみ回すことができます。
経典が入った回転式書架をまわすとすべてのお経を読んだことになるとか。
昔のお寺は、寺ビジネスの工夫をし、生きている人々を大事にしていたのでしょう。