山門の彫刻は、中国の故事(黄石公と張遼)にちなんだものでしょうか。
張良とは漢の三傑の1人で、劉邦を補佐し漢王朝建国に大いに貢献した人物。張良がまだ若い時、黄石公という老人に弟子入りし、太公望の兵法を教授してもらうことになる。しかし老人は何も教えてくれない。ある日路上で出会うと、馬上の黄石公が片方の沓を落とし、履かせるように張良に言う。
張良はしぶしぶ沓を履かせる。また別の日に路上で出会うと、今度は両足の沓をバラバラと落とし、履かせるように張良に言う。張良はムッとするのだが、沓を履かせたその瞬間に兵法奥義を会得するという話。それだけの不思議な話だが、その話しがいろいろと修飾されていったのでしょう。