御袖天満宮(菅原道真公着衣の袖をご神体)
尾道市長江一丁目  標高:38.3m
ウォーキング地図へ
 菅原道真公を祀った神社

 901年に太宰府に左遷された菅原道真が、船で太宰府に向かう途中、尾道に上陸した際に、土地の人たちか麦飯と甘酒をごちそうされたので、そのお礼に自分の着物の片袖を破り、自分の姿を描いて渡した。

 1069年頃に、その袖を祀るため祠を建立したのがはじまり。

 7月中旬(7月25日の直前の金曜日から日曜日までの3日間)は「天神祭」が行われています。天神さんのの御神輿は450kgもあり、55段の石段を昇り降りするそうです。

 祭礼のとき御神前には、道真公の船泊りの由緒をしのんで、千年のむかしからのしきたりどおり、天神金屋の麦畑で作った麦飯と、その麦で作った甘酒を供えます。

 受験生の信仰が厚く、受験シーズンには多くの受験生が訪れます。
  菅原道真公着衣の袖をご神体とする神社で、大林宣彦監督の映画「転校生」で主人公が石段を転げ落ちるシーンのロケ地としても有名。またテレビアニメ「かみちゅ!」で境内モデルとなった神社。

 雷が鳴ったとき、「くわばら、くわばら」と唱えませんか?

 死後に雷神となった菅原道真は、復習のために各地に雷を落としたという伝説があります。
 しかし、自分の領地桑原には落雷がなかったところから、「私はあなたの故郷の桑原に住んでいる者ですよ。雷を落とさないでください。」という願いを込めて「くわばら、くわばら」と唱えるようになった、ということです。
 また、雷神が農家の井戸に落ちて農夫にふたをされてしまったとき、雷神が「自分は桑の木が嫌いなので、桑原と唱えたなら二度と落ちない」と誓った、という伝説によるとも言われています。
 尾道では、前説が採用されているようです。
 この鳥居も、尾道石工の技量を争ったものでしょうか。
 菅原道真(845~903)は、生前にはすぐれた文人・政治家であり、死後は怨霊から御霊となり、ついには天神さんとして崇敬されるようになった。
 簡単にいえば、そういうことであるが、もう少しじっくりと人物像を探ってみよう。
 平安時代に生きた道真は、代々学者だった家に生まれ、長じて学者、文人、さらに政治家として卓越した能力を発揮した。幼少から文才にすぐれ、十八歳で律令制度の国家公務員試験の科目の一つ「進士(しんし)」の試験に合格し、二十三歳で上級の大学寮の試験「秀才」に合格して
 「東風(こち)吹かばにおひおこせよ梅の花あるじなしとて春な忘れそ」
 この道真が愛した梅が、一夜にして京都から大宰府に飛んできたという「飛梅(とびうめ)」の話は有名である。
 大宰府に赴任した道真は、二年後の延喜三年に無念の思いを残しつつ死んだ。
 道真の死後、都では天変地異がつづくようになり、道真を陥れた張本人の藤原時平が病死すると、人々はそれを菅公(かんこう)の怨霊の崇りだとして恐れた。とくに延長(えんちょう)八年(930)に宮廷の紫震殿(ししんでん)に落雷して
 神門は三間一戸切妻造平入の八脚門。
文章(もんじょう)博士になった。
 以後、その才能を遺憾なく発揮して順風満帆(じゅんぷうまんぱん)に出世して、第六十代醍醐(だいご)天皇のときに五十五歳で右大臣兼右近衛大将(うこのえたいしょう)に昇り詰めた。
 ところが、そこで政治的な暗闘、学閥抗争の黒い渦
に巻き込まれて、運命は暗転する。道真の異例の出世が、時の権力者・藤原氏の反発やねたみを買い、延喜(えんぎ)元年(901)藤原時平(ときひら)の讒言(でっち上げの告げ口)によって失脚し、北九州の大宰府へ左遷されてしまった。都を去るとき道真は、有名な次のような歌を詠んだ。













 右足の下、虎の顔でしょうか?
 5mもの1本石が54段(ただし、現在は一番上の段が割れてしまいました。)、それに、二本継ぎが1段(上から二段目)。

 大林宣彦監督の映画「転校生」の撮影場所(男の子と女の子が入れ替わる場面)
多数の死傷者が出たことから、道真の怨霊は雷神と結び付けられることになった。
 もともと京都の北野の地には、農作物に恵みの雨をもたらす火雷天神(からいてんじん)という地主神が祀られていたことから、それが道真の怨霊と合体したものといわれる。
 そこで、その怨霊の怒りを鎮めるために、天暦(てんりゃく)元年(947)に北野天満宮が創祀されたのである。その後、永延(えいえん)元年(987)に勅祭(天皇の特使による祭祀)が行なわれ、このときに正式に「北野天満宮大神」と称号されるようになった。
 この世に怨念を残して死に、のちに現世に崇りをなす死者の霊を御霊という。奈良時代以降、御霊が疫病や災害をもたらすと恐れる風潮があったことから、強烈な崇りのエネルギーを発する道真の怨霊も、御霊として祀り上げられたのだ。ツキを呼ぶ
PHP文庫「神社・仏閣」徹底ガイド 戸部民夫著より




善勝寺:  福善寺:  御袖腰掛石:  大山寺へ:
1頁へ  2頁へ  3頁へ  4頁へ  5頁へ