「どこも苦地蔵(くじぞう)」をまつる地蔵堂があります。「どこも苦地蔵」というのは、昔扇ガ谷(おおぎがやつ)にあり、この地蔵をお守りしていた堂守(どうもり)が貧乏して、よそに移って生活しようとしたところ、地蔵が「どこも(苦)、どこも(苦)」と言ったので、どこへ行っても苦しいことは同じだと知って、よそへ行かなかったという伝説からです。
仏殿の裏に、夢窓国師の指図(さしず)のもとにつくられた庭園(国名勝)が発掘復元されています。
後ろの山から泉水(せんすい)を引いて岩盤を
地蔵堂。
堂の前には大黒天と布袋尊。
木造地蔵菩薩立像
「どこも苦地蔵」地蔵堂の堂主が貧しさのあまり逃げだそうとすると、夢枕に地蔵が現れて、「どこも、どこも」 と告げたという。
うがった池(貯清池(ちょせいち))に水をたたえたこの庭園は、南北朝期の禅の庭として貴重なものです。
鎌倉市教育委員会発行「かまくら子ども風土記(13版)」より