PHP文庫

2015/07/17

か66-02

鎌田浩毅

火山はすごい

　世界で起きるM6以上の地震の2割が日本で発生し、世界の陸地面積の0.25%しかない日本列島に、世界の活火山の7%が存在している。
　特に東日本大震災以後は、西之島、御嶽山、口永良部島などの火山活動が活発化し、地震も頻発している。本書は、京大の人気教授が具体的な火山の特徴を紹介しつつ、今後起こるかもしれない災害への心構えを説くもの。大噴火、大地震はいつ起きても不思議ではない。

　東日本大震災以降、日本列島は千年ぶりの大変動期に入った。巨大地震によって地盤が東西に五メートルも引き延ばされたからだが、その歪みを戻そうとして最近も直下型地震が盛んに起きている。その影響は活火山にも及んでおり、噴火の「スタンバイ状態」となった火山が二〇を数える。
　現代と酷似する千年前の九世紀にも地震と噴火が頻発していたことを教訓にすれば、ハード・ソフト両面のインフラを早急に整備する必要がある。本書に書かれた「過去は未来を解く鍵」という地球科学の知恵を活用し、「大地変動の時代」を生きのびて欲しい。

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