お地蔵さまこと地蔵菩薩ほど親しまれている仏はいません。坊主頭で偉ぶったところがなく、寺院以外にも村のはずれや町かど、峠の頂上などさまざまな場所で人々を見守っていらっしゃる。
日本の仏像の中でもっとも多いのが地蔵菩薩らしい。お地蔵さまは他の仏さまと違って装身具を身に付けない僧形で、笑みを含んだ姿は親しみやすいですね。ところが、お地蔵さまも元々は他の菩薩と同じく、インドの王や貴族の姿を写して、有髪で派手な装身具を身に付けて飾っていたようです。それが中国で僧形になったようです。
ただ、そんな庶民的なお地蔵さまですが、実は菩薩で偉いのです。菩薩は悟りを得て仏の位にありますが、如来と違って人々を救うため、なお修行に励んでくれているありがたい仏さまなのです。
ここの庭には古くから伝わる古風なお地蔵様だけでなく、個性あふれる可愛いお地蔵様もたくさん
佇んでいます。 座禅をするもの、頬寄せ合ったもの、万歳したもの、頬杖ついたもの、膝を抱えて座ったもの、どれも愛嬌があり見ていると自然と優しい気持ちになることができます。