1991年夏、枯れてしまった「天蓋マツ」
かつて法宣寺には国の天然記念物がありました。大覚大僧正お手植えと伝わる黒松の巨木です。その枝ぶりから「天蓋マツ」とも呼ばれ、鞆の浦の人々の誇りでしたが、残念ながら、六百余歳で枯死しました。
1984年刊行の『日本の天然記念物5 植物III』によると、樹高こそ5m程度であったが、目通り幹囲は3.9m、根回りは5.2mあり、地上から1.6mのところで2つに分岐して北東方向と東南方向に枝を広げていて、北東方向へ伸びた枝は基部の周囲が2.76mあり、枝張りの長さは23.17mあった。
南東方向へ伸びた枝は、基部の周囲が2.14m、長さは12.5mあった。この大きな枝張りから、枝葉の広がりの総面積は総面積は600平方メートルにも達していた