熊野神社
厚木市旭町三丁目  標高 17.9m
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 熊野神社付近は、古くから「熊野の森」といわれ、大きな木がたくさん生い茂っていました。渡辺畢山が厚木を訪れた際に描いた厚木六勝図の一枚に、「熊林ノ暁鴉」(熊野の森に明け方群がる鴉)があり、これはここの風景を描いたものです。この絵から人家もまれだった当時の様子がわかります。

(注)乳状下垂……古いイチョウによく見られる状態で、幹や太い枝の表皮に一部が乳房のように垂れ下がったもの。 
 「文化財散策ガイドあつぎ」(厚木市教育委員会発行)より
 全国に三千余あるといわれる熊野神社は、熊野三山といわれる熊野本宮大社、熊野速玉(はやたま)大社、熊野那智大社の三社を合わせたもので、祭神の熊野権現も家都美御子大神(けつみみのおおかみ)、熊野速玉大神(くまのはやたまのおおかみ)、熊野夫須美大神(くまのふすみのおおかみ)の熊野三所権現です。

 平安時代後期から阿弥陀信仰が強まり、浄土教が盛んになると、熊野の地は浄土と見なされるようになりました。修験者の病気快復の祈祷によって無病息災、延命長寿の神として全国に広まり、熊野神社が各地に勧請されました。熊野三山のすべてを勧請するのでなく、一部を勧請するのも珍しいことではありません。




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