厚木市上荻野の華厳山の山麓に華厳山松石寺があります。古くは弘法大師による真言宗の名剰であったが、中世後一時廃頽したのを上州沼田竜華院の住職天巽(てっせん)和尚の教化により曹洞宗に改宗され再興されました。同寺には承応二年の銅鐘を始め多くの寺宝があり、裏山一帯には京都の人、
粕屋(かすや)想兵衛の発願により四国八十八ヵ所観音霊場を廻る石仏の数々を建立しました。同寺の墓域に近世初期の名家、松田氏の墓があります。松田氏は足柄上郡松田町惣領におこった豪族で、後北条の家臣となって活躍、松田市兵衛直長、駿河国山中城にて戦死。その子孫は徳川幕府につかえて
旗本となりました。上荻野の地は、後北条氏から松田氏が領し、江戸初期引き続いて所領し、同時に松田氏数代の墓碑を建立しました。
「厚木の観光ポケットブック」(厚木市観光政策課発行)
地蔵菩薩は僧の姿で、手に錫杖(しゃくじょう)というを持っている。これは旅の僧の姿である。地蔵菩薩は輪廻(りんね)して迷う衆生(しゅじょう)(あらゆる生き物)を救うために旅をし、六道の辻々に立っているという。
賽の河原の地蔵菩薩
地蔵菩薩は特に子どもを守る菩薩だ。賽の河原では幼く死んだ子らが供養のために石を積んで五輪塔をつくっているが、鬼が出てきて崩してしまう。地蔵菩薩は衣の下に子どもを隠して鬼から守るという。