地蔵人気は、平安時代、地獄に対する恐怖心が強くなったことに関係します。閻魔大王の裁きを受ける際に地蔵が助けてくれるという俗信が広まり、民間信仰が盛んになりました。賽の河原では地蔵が幼な子を救うという説話があり、水子供養では地蔵が本尊となっています。
地蔵菩薩は娑婆(しゃば)世界にいるため基本的に僧形で、錫杖(しゃくじょう)を持ちます。
次
頁
へ
地蔵堂
十六億七千万年あり、この間は如来のいない無仏時代となります。その時代に人々を救済するよう、釈迦が頼んだ相手が地蔵菩薩です。この菩薩はとくに庶民に親しまれ、平安時代の『今昔(こんじゃく)物語集』には何度も登場し、身代わり地蔵やとげぬき地蔵、子安地蔵など、多様な地蔵が作られました。