ん)と共に金や極彩色(ごくさいしょく)で美しく描かれ、極楽浄土(ごくらくじょうど)を表わしています。入口の扉の飾り金具に小さな蝉(せみ)の形がつけられています。蝉をおどろかさぬよう静かにお入りなさいという、尼寺らしいやさしさの表われだということです。
鎌倉市教育委員会発行「かまくら子ども風土記(13版)」より
山門。
上層には阿弥陀如来、観世音菩薩、勢至菩薩、十六羅漢が祀られています。
奥に入ると仏殿が南に向き、その前は関東大震災後に、小町に移されていた山門の再建が行われています。楼上(ろうじょう)にあった十六羅漢(らかん)像は収蔵庫や鎌倉国宝館に保存されています。
仏殿の屋根は裳階(もこし)という下屋根をつけて2重になっており、軒下の「かえる股(また)」には十二
支の彫刻があります。仏殿には徳川家光(いえみつ)寄進の阿弥陀三尊(あみださんぞん)像を中心に善導(ぜんどう)・法然(ほうねん)大師の木像が安置されています。格天井(ごうてんじょう)という角材を格子(こうし)に組んだ天井には、竜・天人・楽器・花などの絵が三葉葵紋(みつばあおいもん)や桔梗紋(ききょうも
彩色のその文様は、同じころに造られた日光の東照宮の美しさを思わせる見事なものです。公開されていませんが、祠堂の後には英勝院の墓があり、「長誉清春(ちょうよせいしゅん)大禅定尼(だいぜんじょうに)」と刻まれています。
鎌倉市教育委員会発行「かまくら子ども風土記(13版)」より
1643年建立の祠堂唐門。
仏殿の先には唐門(からもん)と祠堂(しどう)があります。唐門は両面すかし彫のぼたんの花がついており、江戸時代初期の高度な技術がうかがわれます。唐門をくぐると、やや高くなったところに英勝院をまつる祠堂があります。祠堂は、鞘(さや)堂という風雨を防ぐためにおおいかけられた建物の中にあり、金粉や極