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「幸神社」跡
だったところです。千石船の出入りも多く、いつもたくさんの人出でにぎわって繁盛していました。
塞之神社は建武年間に建てられました。文明年間(建立より百五十年後)になると、お宮はあちこちこわれ、雨もりがするようになったそうです。
ある夜のこと、氏子の孫右衛門が寝ていると
「孫右衛門よ、孫右衛門よ」
と呼ぶ声がして白髪の老人が現れ、
「私は幸の前の塞之神である。いたんだ社の修理をたのむ。修理して祭りをしてくれれば、幸の前の氏子たちに末長く福をさずけるであろう」と告げました。
ふしぎに思った孫右衛門は、さっそく氏子一同
と相談して、荒れていたお宮を建て替えお祭りをしたところ、幸の前はますます栄え、みんな裕福になりました。
氏子たちは塞之神さまの御利益のおかげと、毎年旧暦四月十二日に盛大な祭礼を行いました。祭礼の「作り物」には特に力を入れ、いろいろと工夫したそ
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