吉備津彦神社(一宮神社)(祭神:大吉備津彦命)
尾道市東土堂町  標高:20.2m
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 寶土寺西側の鳥居のある一劃は吉備津彦神社、俗にいう一宮さんで、毎年11月3日文化の日に、尾道全市の子供たちを湧き立たせる奇祭ベッチャー祭の祭神で、ベタ、ソバ、ショーキーはこの神社から繰り出すのである。

 神輿と獅子頭を先頭にベタ・ソバ・ショーキーの三鬼神が市内を練り歩き、子どもたちを追い回す神事。「ベタ」「ソバ」が持っている「祝棒」で突かれると子宝に恵まれ、「ショーキー」が持っている「ささら」で叩かれると頭が良くなるとされ、子供達は「ベッチャー、ベッチャー」とはやし立てる。江戸時代に流行した疫病退散祈願から始まった西日本有数の奇祭。
 吉備津彦と桃太郎にまつわるお話

 「桃太郎」の話の原形は、ヤマト朝廷の吉備征伐という歴史とつながりがあるらしい。

 第十一代垂仁天皇の時代のこと、朝鮮半島の百済からやってきた温羅(うら)なる鬼神が吉備(美作・備前・備中・備後、現在の岡山県と広島県東部)にたどり着き、住みついた。温羅は瀬戸内海を航行する船に海賊行為を行い、婦女を掠奪するなど、乱暴狼藉をくり広げていた。
 人びとは恐れおののき、都に訴え出てきたので、朝廷は吉備津彦を遣わし、温羅を成敗したという。
 つまり、この吉備津彦の活躍が、小さ子の物語と習合し、「キビ団子の桃太郎」の伝説が生まれたと考えられる。
 たとえば、鬼神・温羅の首をはねた後、吉備津彦は犬飼武に命じて、犬に温羅の首を食べさせたというが、吉備津彦の家来に「犬」がいたところが桃太郎伝承とそっくりだ。

 また、こんな話しも残っている。

 遠い遠い昔、吉備津彦命が山波の浜に舟を寄せたとき、砂浜に突きさした杖が根付いたとの伝説がある巨木。かつての浜も今は造船所(尾道造船)になり、ウバメガシも十数年前に現在地へ移植された。




(参考)
 キツネは山と里の中間の里山に棲み、人里で目撃されることが多かった。古来、豊穣をもたらす山の神は里へ降りると田の神・稲荷神になると信じられていたことから、いつしかキツネは稲荷神の使いと考えられるようになったとも言う。また、キツネの毛並みの色、尻尾が稲穂を想起させることにちなむとも言われる。
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