PHP文庫

か05-37

加藤諦三

「ねばり」と「もろさ」の心理学

逆境に強い人、弱い人

　ピンチや困難に陥った時､｢仕方がない｣とすぐに諦めてしまう人は､いざチャンスが目の前に来てもつかめない｡自分の置かれた状況でとにかく出来ることをやってみる人こそ､自信に目覚め､真の幸福をつかめるのだ……｡本書は｢無気力｣｢おっくう｣になる心理的原因を分析し､受身の生き方から活力ある人生に転換させるためになすべきことを提言する｡生きるカと希望が湧いてくるアドバイス｡

　自分の人生が失敗ぱかりだったと嘆くことはない｡自分の人生が失敗ぱかりだったと自信を失うこともない｡その失敗によって自分は鍛えられてきたのである｡そしてその失敗によってこそ自信を得て､幸福への切符を手にしたのかも知れない｡もし自分の人生が今までの現実であったことと違って､もっと成功ぱかりであったら自分は今のように幸せでは
なかったかも知れない｡我々は失敗と不幸とを結び付けて考える｡しかしこれは間違っているのかも知れない｡
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　(本文より）

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