為政者が古典を学ぴ、応用する謙虚さがあったら!
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 質素な生活で有名になった土光経団連会長。

 1954年4月2日早朝。「造船疑獄事件」の捜査で東京地検特捜部の検事たちが、石川島重工業社長・土光敏夫の家を訪れたとき、土光の木造2階建ての家を見て「これが一流会社の社長の家か」と囁きあった。「土光さん、在宅でしょうか」と応対に出た直子夫人に聞くと「主人なら今出ましたから、まだバス停にいると思いますよ。」慌てて玄関を飛びだしバス停に行くと、雨の中で立っていたのが土光だった。帰庁して検事の一人が言った。「いやぁ、今日という日は、まいった生活はまことに質素。大会社の社長なのに、朝早く、国電で通勤している。また、奥さんも、来信の封筒を裏返して、発信用に使っている。ちょっとできないことですよ。」と。

 そんな生活ぶりには、浄土真宗に根付いた質素な暮らし方があったようです。欲(金銭欲)を消して、本当の欲を目指して生きようとする姿勢が見え隠れし、ぶれない生き方がそこにあったのでしょう。
あ20-01
秋庭道博
 どう考えても、われわれは、肉体的にも精神的にも疲れている。疲れた心を抱えているだけでなく、疲れた心のベールによって、前途を閉ざされている。ここから抜け出すためには、開き直って、この宇宙全体のなかに、無心に自分を投げ出してみることだ。そうすることによって、胃のなかの固いかたまりも消えていく。と同時に、これまで見えなかったものが、少しずつ見えるようになってくる。疲れた心が癒されていくのが、自分でもわかるようになってくる。それは、心の健康がいつのまにか回復している証拠である。
そ01-10
曾野綾子
 他者との関わりのなかで、自分の価値観を削られていく人たち。他人の言葉を鵜呑みにし、人と同じことを繰り返す、これほど味気ないことはあるまい。人生は、人と違うからこそおもしろい。「叶えられない希望を追うのが人生の美学」「凋落は人間に対する愛である」「現実と折り合えることが強さの証拠」---現実というカべ、生と死、世の中の善と悪を見据え、自分を失わずに生きる人々へ向けた箴言集。
く05-09
国司義彦
 50代は、人生で大きな転換期を迎える時である。仕事ではますます厳しい境遇に置かれ、家庭では子どもが自立し、夫婦のあり方が改めて間われてくる。不透明な時代ゆえ、間題解決の確かな手立ても見出しにくい。だが、案ずることはない。今後の人生の「戦略」を考えるための要点を、しっかり押さえればよい。本書は、人生後半を心豊かに楽しく過ごすためのヒントを満載した人生設計書。文庫書き下ろし。