鞆の津の商家
福山市鞆町鞆  標高:7.9m
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 「鞆の津の商家」は、江戸時代末に建築された建物で、かつて「鞆製網合資会社」などに用いられていましたが、今日では市の重要文化財に指定され再生・保存されています。外観の美しい建物ですが、なかでも正面右側の土蔵は、二階建ての町家に見えるようにひさしを設けており、他に例を見ないユニークな意匠となっています。

 町家の多くは合併や増築によって造られており、一時期に一気に新築されたものは珍しい。
 これは、特に繁華な港町における町家の浮沈の激しさを反映していると思われます。
 もちろん、町家を新築する際には古材を再利用するのが当たり前で、そのことが建築年代の判定を著しく困難にしています。
 江戸時代の鞆の家並みは、平入りの二階建てが一般的で、屋根は寺院で用いられるような本瓦葺き、そして全体に骨太で重厚なつくりとなっていました。2階の高さは様々ですが、近隣の倉敷や竹原のように漆喰(しっくい)で塗り上げた仕上げはあまり見られず、窓には木格子を入れていました。1階の店舗は、出格子や蔀戸(しとみど)(跳ね上げ式の大戸)になっていました。澤村船具唐では、今日では珍しくなってしまった蔀戸の構えを見ることができます。
掘り下げられ荷車の難所
 かつてこのあたりは道の傾斜があまりにも急で、荷車の難所でした。誰かが手を貸して後ろから押さないと坂を上れなかったため、荷車をあと押しするアルバイトがあったそうです。
 現在では、敷地の角の辺りで道の部分を1m近く掘り下げて、傾斜をなだらかにしていす。 よく見ると、建物の石造りの基礎の下にコンクリートの壁が造られていて、まるで建物を持ち上げたように改造がされています。
 ひな壇飾りは元禄以前から始まったと言われますが、2月中旬になると「福山市鞆の浦歴史民俗資料館」では商家に伝わった江戸時代からの豪華な段飾りや御殿飾り、調度品が展示されます。また、鞆の街でもそれぞれの家に伝わるおひな様を飾ったり、ちょっと工夫を凝らした今風の人形を飾り、各地から多くの人が訪れてとても賑やかになります。




 昔の商売人が使っていた道具が残っています。昔といっても、1960年頃までは同じようなものを使っていました。
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