昭和8年(1933)に造られた鳩川分水路(現、鳩川隧道分水路)は段丘上からの放流の勢いを緩衝するための段差が三段あることから「三段の滝」と呼ばれ、その後、昭和63年(1988)には、その上流に「新三段の滝」が完成しました。この付近は「相模川散策路」の一部として整備され、展望台から見る相模川を望む眺めは風光明媚なスポットとなっています。
また、この新三段の滝辺りから相模川散策路を歩いてみますと、西側に相模川、その奥に大山、丹沢連峰の雄大な絶景が目に入ります。四季を通じて、季節の様々な移り変わりの表情を見せてくれる、とても良いところです。
鳩川は旧相模原市域の西側をJR相模線に沿って流れる川で、横山下を水源とし途中、姥川、道保川の二川を合流、海老名で相模川に注いでいる。
昔から稲作その他の農業用水、生活用水、水車(精米など)として利用されてきた。しかし、時として水があふれ、農業はもちろん住民の生活をおびやかすことがしばしばあった。昭和のはじめに、下溝と磯部の境付近に分水路を作り、相模川へ水を流した。これが三段の滝である。
近年、急速な工業立地と宅地開発によって流域の都市化が進み、鳩川上流部の洪水が増加し、これに対処するために新たに分水路を建設した。
三段の滝スポーツ広場
三段の滝スポーツ広場
栗山 光久さんの話(下溝在住)…平成20(2008)年聞き取り
『このあたりは、昔から春と秋の台風の増水により川の水があふれ、農家は大変な被害にあったものでした。6月ごろ植えた稲が流されたり、
腐ったりしてしまいました。また秋には収穫前の水田が門沢橋のほうまで押し流されて、その年の稲作はだめになってしまったこともあります。
家の近くに鳩川分水路隧道ができました。工事が始まると、毎日見に行ったものです。炭鉱で働いていた人たちが来ていたようです。