右大臣だった道真は、政敵・藤原時平の陰謀で大宰府に流され、生涯を終えます。
その死後から、皇居に雷が落ちたり、道真の失脚にかかわった人びとに不幸が襲ったりしました。人びとはこれらを道真のたたりと考え、霊をしずめるために社を建ててまつりました。
このとき、ちょうど天神(雷神)信仰が芽吹きはじめていたこともあって、道真は天神さまと呼ばれるようになったのです。
こうした、強烈な恨みを抱えながら亡くなり、たたりをなすようになった人びとの霊を「御霊」といい、そうした霊をしずめるために、神社が建てられることもあります。
絵筆塚。カッパの漫画で有名な清水崑氏をしのぶ祈念碑。
漫画協会の漫画家達の描いた154枚の小さなレリーフが全面に飾られている。
樹齢600年と伝えられる公孫樹イチョウ。鶴岡八幡宮のイチョウが大風でたおれたため、鎌倉では最も古いイチョウになったのでしょう。
清水崑[1912~1974]は、長崎の生まれの漫画家。岡本一平に師事し、挿絵画家として認められたのち、新聞に政治漫画を掲載。「週刊朝日」に連載された「かっぱ天国」が人気を集め、かっぱブームを起こした人。
日本最強の怨霊道真は死後、怨霊と化して平安京を祟ったという。
道真を嵌めた藤原時平は道真の怨霊に取り殺されたという。続いて道真失脚の首謀者の一人とされ、道真の後に右大臣となった 源光(みなもとのひかる)が狩りの最中に溺死する。さらに醍醐天皇の息子や孫も次々と病死し、これを道真の怨霊によるものとされています。
道真の怨念を鎮めるためにさまざまな措置が取られたのですが、天皇の御所である清涼殿に雷が落ち、道真の左遷に関わった人間が何人もこの落雷で死亡しました。
醍醐天皇はこの事件を間近で見たことで体調を崩し、三ヵ月後に崩御しました。この事件をきっかけに道真が雷神になったという風説も流れました。