内裏山霊獄院 九品寺(浄土宗)
鎌倉市材木座5-13-14  標高 5.3m
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 浄土信仰では、臨終すると阿弥陀如来が迎えにくるとされていますが、その迎えには九階級あり、「九品(くほん)」といいます。「九品往生」とは、生前の行いや功徳により、往生のランクが決まるという考えです。 九品来迎印は、人が臨終を迎えると阿弥陀如来が現れ、極楽浄土に連れていくのですが、その人の徳に応じて九段階の待遇があり、結ぶ印も異なっています。
 公開されていませんが、本堂に安置されている本尊は、阿弥陀如来像(あみだにょらいぞう)で、中国の宋や元の影響を受けた貴重な作品で、南北朝(なんぼくちょう)時代のものといわれています。
 また、鎌倉時代の薬師如来像(やくしにょらいぞう)は、「永仁四年」(1296年)の年号がある美しい石仏として知られ、現在、石造の閻魔王(えんまおう)や奪衣婆像(だついばぞう)とともに鎌倉国宝館に預けられています。

 鎌倉市教育委員会発行「かまくら子ども風土記(13版)」より
 「南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ)」と唱えると極楽浄土に往生できる、という信仰の本尊にもなったのが阿弥陀如来です。
 もともとはインドの王でした。ところが世自在王(せじざいおう)如来の説法を聞いて開眼し、身分を捨てて出家、法蔵(ほうぞう)と名のり修行僧に
なります。法蔵に仏法を教えてほしいと懇願された世自在王如来は、二百十億ものさまざまな仏の世界を現してみせました。そこで法蔵は、理想の世界について五劫(ごこう)という果てしなく長い間、熟考を重ねます。これが「五劫思惟」です。この思惟の末、法蔵は「四十八の大願(たいがん)」を立て、これを
実現させて悟りを得ることを誓いました。そして仏となったのです。
(イラストでわかる「日本の仏さま」 日本の仏研究会著より)








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