西郷寺(時宗)
尾道市東久保町  標高:17.9m
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そして上人に一個の不思議な形をした杓子を」献上しました。
 これは「一粒万倍かじめの杓子」というもので、少しばかりのご飯粒でも、麦やイモのかゆでも、釜にいれてかき回すといくらでも増えるという不思議な杓子でした。それで、これ以来遊行上人巡教の際には、いつもお厨子に入れて持ち回られることになったのです。上人の道中に従っていく者は、貧しい者でも病人でも、この杓子おかげで食にありつくことができました。
 この杓子、今は藤沢市の本山遊行寺の宝物館に寺の宝として納めてあります。
 さて、白髪老人の
 「拍てざ鳥りうたねばならぬ 竜天井 覚して渡れ人の世の道」

尾道民話伝説研究会 編「尾道の民話・伝説」 (2002年5月刊)より転載
龍神の霊は、託何上人のお徳を慕い、九州から尾道の西郷寺へとついて来ました。そして、お念仏の声を聞いて永遠に安心を統けているらしいのです。

 西郷寺本堂の天井は「鳴龍天井」といって、下で手を打てば琴線を鳴らすような音がします。これは、
龍の罪障ざんげの喜びの声に違いありません。その龍神の霊は、お堂の裏にある大岩の上の祠にまつってあります。

 「鳴龍天井の歌」として、寂何の作に次の歌があります。










 室町時代から登場していた福の神として扱われるのが「七福神」、設置は比較的新しい(2100年10月)。
 福をもたらすとされいる七福神、恵比寿、大黒天、福禄寿、布袋などは大きな耳を持った姿です。「耳ったぼ肩へ掛けてる布袋さま」という川柳があります。耳たぶが大きいと金持ちになれると。この福耳に対して、耳たぶの小さな耳は「貧乏耳」などといったりします。でも貧乏耳のほうは、現在ではほとんど使われていません。耳たぶが大きな人はお金持ちになれるといわれており、大きな耳、豊かな耳を持った人は、どことなく経済的に豊かなように見えます。
  毘沙門天

 元はインドのヒンドゥー教のクベーラ神。戦いの神であったが、仏教に取り入れられてから、福徳増進の神としてしだいに民衆に信仰される。
 布袋尊

 唐の末期の明州に実在したといわれる仏教の禅僧。その太っておおらかな風貌が好まれ、手にした袋から財を出し与えてくれる。弥勒菩薩の化身ともいわれている。




 寿老人

 道教の神で南極星の化身の南極老人。日本の七福神の一人としては白鬚明神とされることもある。
 大黒天

 インドのヒンドゥー教のシヴァ神の化身マハーカーラ神。日本古来の大国主命の習合。大黒柱と現されるように食物・財福を司る神となった。
 弁財天

 七福神の中の紅一点で元はインドのヒンドゥー教の女神であるサラスヴァティー神。仏教に取り入れられ、音楽・弁才・財福・知恵の徳のある天女となり選ばれた。 室町時代以降は、七福神の一神に加えられた。
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