仁王門をくぐり、ちょっと行った左側にあります。西國寺の再興傑僧・慶ばんの開基と伝えられています。
1829年大旦那灰屋茂助の寄進銀一貫目などによって本堂・庫裏を一棟として再建された。
1976年9月、集中豪雨により裏山が崩壊し全壊したが、ただちに住職・檀信徒一体となって再建にあたった。
1994年境内に祀られ長寿の神として知られる「多賀皇神社」も新しく建て替えられた。
塔頭(たっちゅう)の持善院。境内には多賀神社という鎮守社があります。(塔頭とは大きな寺の境内に付属する子院)
空海には『声字実相義』という、とんでもなく面白い、突き抜けたテキストがあります。声と文字と実相(リアリティー)が別物ではないことを説いています。麒麟(動物園にいるキリンではなく)や龍など、想像上の生物もいます。われわれはすぐに、「あんなものはない」と断定しがちですが、本当にそれで
いいのかと空海は問うています。
想像上のものを信じることができなければ、「仏を信じる」とは何をすることですか、全てが意味を失ってしまいます。想像力の次元を何としても私たちの中に確保しなければいけないと。
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長寿の神として知られる「多賀皇神社」
多賀神社が長寿の神であるのは、伊邪那岐大神(いざなぎのおおかみ)、伊邪那美大神(いざなみのおおかみ)の二柱の大神の神話によります。
この二神は神代の昔に、初めて夫婦の道を始められ、日本の国土や天照大神をはじめとする八百万(やおよろず)の神々をお産みになられ、生命(いのち)の親神様であるとされています。そのため「延命長寿・縁結び・厄除け」の神様なのです。
向拝に竹を編んで作られた「龍の注連縄」が張られている。
『古事記』の日本創世の神話に、夫婦神の伊弉諾尊(いざなぎのみこと)が死んだ妻の伊弉冉尊(いざなみのみこと)を黄泉の国に追っていく話があります。伊弉冉尊の体はウジにくわれて醜く腐っていたのでした。古代神話が語る死者の国は地下の汚い世界ですが、それは死体の腐敗のため。仏教伝来とともに生前の罪によって責め苦を受ける地下の牢獄という意味あいが強まりました。地獄を奈落ともいうのは、インドの原語ナラカの表音です。
蛇や龍は、水辺を好んで棲むことから、世界的にも水の神とする地域は多いようです。
また、龍は、経典に記されている「八大龍王」が有名です。迦楼羅は文殊菩薩の化身ともいわれています。