福本渡船(本土側)
尾道市土堂一丁目  標高:2.7m
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福本渡船(0.25km 3分)

【概要】 尾道駅前広場の東端付近から少し東に行くと、向島の小歌島(おかじま)とを結ぶ航路があります。3つある航路の中で最も運賃が安い渡船でもあります。尾道側桟橋入口の赤く塗られたゲートが特徴です。

【運賃】 ・旅客運賃:大人60円,小児30円
     ・自転車(手荷物扱い)  +10円
   ※大人のサイクリスト1人  →  旅客運賃60円+自転車代10円=70円

【支払い方法・場所】
・歩行者、自転車の方の支払いは向島側桟橋入口にある料金所で行います。
・原付・バイク・自動車の方は船上で集金係りの人が集めます。

【ダイヤ】・月曜日~土曜日:6:30~20:00 運航(約10分間隔)
     ・日曜日:終日運航休止
     になっているようです。(変更されますので、注意!)
 大林宣彦監督の映画「ふたり」「さびしんぼう」のロケ地となったり、PlayStation 4用ゲームソフト「龍が如く6 命の詩」にも尾道仁涯町の“仁涯渡船場”として描かれています。

 チケットを購入する必要はありません。船内で料金が徴収されます。カード類は利用できませんので小銭を用意して乗船して下さい。片道3分の航海を体験でき、通勤時間帯は約5分間隔、通勤時間帯以外は10分間隔で就航しています。(混み具合で変わるようです。)
【小豆とりの狸】

 今から百年ほど前、尾道の海岸線は今よりずっと北に入り込んでいました。そして東は久保町から、西は一番踏切のあたりまで、波打ちぎわは石の護岸だったそうです。
 土堂町の桂馬の蒲鉾屋さんの所は当時船着き場で、石畳になっていて、西側には海沿いに大きな蔵が並んで建っていました。
 当時は、本通りの賑やかな商店街もなく、電灯もない時代でしたので、こわい話や不思議な話がありました。






 その頃、蔵の近くで毎晩「シャリ、シャリ」と高くて鋭い音がしてきました。
 ネズミが走り回る音とも違うし、イタチが騒ぐ音とも違うし、みんなとても気味悪がっていました。
 ある晩のこと、一人の若者が用あって遅くにその蔵のそばを通りかかりました。するとみんなが言っていたような「シャリ、シャリ」という音が蔵のあたりから聞こえてきます。
 若者は半分は怖かったけれど、半分は何の音か確かめてやろうと、そっと蔵に近づきました。蔵の中から「シヤリ、シャリ」と音がしています。




















尾道民話伝説研究会 編「尾道の民話・伝説」 (2002年5月刊)より転載
 干潮、満潮で桟橋が3~4mほど上下します。
 潮の流れが激しいときは、その流れの速さによって、桟橋に向かう船の位置・角度が変わります。
若者は蔵に向かって、「わあー」と大きな声を出しました。とたんに音が止んで、蔵の穴からまんまるいものが飛び出してきました。若者はびっくり仰天、腰がぬけそうになりました。
 まるいものは、そのまま千光寺山の方に短い足で走り去って行きました。若者がその姿をよく見ると
狸のようでした。
 それからは、その「シャリ、シャリ」という音は、狸が蔵の中の小豆をねらって来ているという噂になりました。
 でもやはり気味悪く、暗い夜に「シャリいう音がすると、予どもたちは急いで家に帰ったそうです。









 このあたりは干満の差が3m以上あり、そのため、船からの荷揚げ・荷下ろしのとき、高さを調整する必要があり、陸側が階段状になっています。
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