山門をくぐると正面の仏殿に向かって石畳の参道が続きます。その両側は整然と手入れされ、ビャクシンなどの樹木が植えられています。ビャクシンは、一名舎利樹(しゃりじゅ)ともいい、開山の蘭渓道隆(らんけいどうりゅう)(大覚禅寺(だいがくぜんじ))が種を宋(今の中国)から持ってきて植えたと伝えられています。ビャクシンの古木の姿は、中国の禅宗の庭園のようすをしのばせ、鎌倉時代の寺院のようすを物語っているようです。
このビャクシンには次のような話が伝わっています。
道隆が亡くなり、火葬されたとき、その白い煙がビャクシンにかかり、青い実が落ちてきました。この実は舎利骨(しゃりこつ)というお釈迦様の骨とみたてられていたので、
「開山がお釈迦(しゃか)様になられた。」
といって、みんな喜んだそうでナ。
鎌倉市教育委員会発行「かまくら子ども風土記(13版)」より