本尊は大曼荼羅(画面に諸仏を描いた図形や象徴的に表した記号を特定の形式で配置し,悟りの世界や仏の教えを示した図絵。)
鎌倉時代に日蓮宗(法華宗)を開いた日蓮は「妙法蓮華経」の五字に釈迦如来の力のすべてがこもっており、人の信心をあらわす「南無」をつけた「南無妙法蓮華経」の七字によってうけとれるとした。それを「妙法五字七字」といいます。
サンスクリット原典からの翻訳もある今では「妙法蓮華経」は原語「サッダルマ・プンダリーカ・スートラ(正法の白蓮の経)」を漢訳した経典名にすぎないと思われるかもしれないのですが、『法華経』に説かれているのは、この宇宙には人の言葉ではあらわせない神秘があり、
そこに諸仏の力が働いているといいます。
その確信を日蓮は「南無妙法蓮華経」の七字の題目に込め、題目を中心に釈迦・多宝如来をはじめ、日本の天照大神や八幡大菩薩などの尊名も書き入れた大曼荼羅をあらわして、弟子・信徒に信仰の本尊として与えたのです。