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PHP文庫
1989/12/15
ア06-01
天谷直弘
日本町人国家論
 「われわれは今、煉獄にいる」という感を私は禁じえないのである。煉獄とは人間が試されているところである。試練に耐えたものは天国に昇り、耐え得ざるものは地獄に堕される。
 「汝の運命を決するものは汝みづからである]。これこそ煉獄の真理である。当分の間、日本人は、暗いトンネルの中をこの言葉を唱えながら凛然と歩んで行かなければならない。
 日本企業と日本国家の「日本的経営」の真の器量は、この煉獄の試練によって実証されることとなろう。
 ますます複雑な様相を呈してきた日米摩擦など、山積する国債問題を前に,日本は国家としてその基本方針をどこにおき、どう舵取りしていくべきか?
 かつて日米貿易交渉の当事者として最前線にあった著者が、その経験をふまえて、「日本は米国のような武士国家として歩む覚悟があるのか。
 もし、そうでないなら、町人国家として生きるべきではにのか」と説き、大きな反響を呼んだ話題の書、待望の文庫化。
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