辨天神社
尾道市西久保町  標高 10.8m
ウォーキング地図へ
 「辨天」は「べんざいてん(弁才天)」の略。

 弁才天は七福神のなかで唯一の女性、美と才能、財宝を生み出す女神、弁天(べんてん)(弁財天、弁才天)です。もとは「水のカ」を象徴するインドの女神サラスバティーです。

 「弁才天・辯才天」(「弁(辯)才」は 梵 Sarasvatī (サラスヴァティという女神の訳語) インドの神の名。聖河の化身という。仏教にはいって舌・財・福・智慧・延寿などを与え、災厄を除き、戦勝を得させるという女神。像は、八臂(弓・箭・刀・矟・斧・杵・輪・羂索を持つ)、または、二臂(琵琶を持つ)。大弁才天。弁天。弁才天女。

 七福神の一つ。後世、吉祥天と混同され、あるいは穀物の神である宇賀神とも同一視されて、多く「弁(辨)財天」と書き、福徳や財宝を与える神とされたもの。その像は、宝冠・青衣の美しい女神であらわされ、琵琶をひいている。弁天。
「弁才天・辯才天」

 奈良時代に日本に入ってきてからは、川の流れの音からの連想で音楽の神、美音天(びおんてん)、妙音天(みょうおんてん)、また大弁才功徳天(だいべんざいくどくてん)などと呼ばれた。
 最初は知恵、名声、解脱(げだつ)を求める者に功徳ありとされた。やがて鎌倉時代になると、在来の水(海)の神である宗像三女神の一人市杵島比売命と習合し、純日本的な神様へとイメージチェンジした。

 どちらの女神も美人の誉(ほま)れが高く、しかも有力な水神であったことから、結び付けられたのである。庶民の間に人気を得た弁財天は、近世にはヘビと結び付けられて現世利益の神様として大いに霊力を発揮。ヘビが弁財天の使いとされたことから十二支(じゅうにし)の巳の日が弁天様の縁日とされ、巳の日は金運をもたらすという縁起かつぎも広まった。

 尾道は水が非常に貴重で、各井戸には石仏が置かれ大切にされていました。そのためか、水と関わりの深い弁天様が祀られたのでしょうか。
 室町時代以降は、弁財天が七福神の一神に加えられて福徳財宝をつかさどる神様として崇められるようになり、とりわけ江戸時代になるとその人気が大いに盛り上がりました。
 拝殿

 このしめ縄は、ヘビを表しているのでしょうか。

 ヘビは古来、信仰の対象として敬われてきました。異様な姿形はもとより、冬に地中に姿を消し、春の訪れとともに地上に現れる習性が「生命力の再生」を象徴すると捉えられたためでしょう。
 蛇は煩悩の象徴であるとともに、生命エネルギーにもたとえられています。 

 蛇は古来、水の神、山の神、あるいは家の守り神として崇(あが)められてきた。また蛇は銭(お金)の神様ともされており、蛇に関する俗信にはお金にちなんだものが多い。たとえば蛇の夢は吉で、蛇の夢を見ると、「お金が儲かる」「銭を拾う」「金運に恵まれる」などといわれており、「蛇を飼えば金持ちになる」「蛇が縁の下にいると金が家から出ない」「蛇が懐に入ると金持ちになる」という俗信もあります。
 蛇とお金といえば、「蛇のぬけがらを財布に入れておくと金が溜まる」「蛇革の財布を持つと金が溜まる」というのがあり、どちらもよく知られています。蛇は長い体を持っており、脱皮しながら再生する。それにわりと長生きである。そこから永続、繁栄、お金などのイメージが生じたのでしょう。




 本殿
    稲荷大明神

 稲荷神の使いのキツネ、キツネは山と里の中間の里山に棲み、人里で目撃されることも多かったので、稲荷神のつかいと考えられるようになったのでしょう。
    日車大明神

 「日車」とは、太陽のこと。日輪を表しているのでしょう。
1頁へ  2頁へ