白雲庵(臨済宗)  円覚寺塔所
鎌倉市山ノ内462 標高 49.7m
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  正和年間(1312~16)に退居寮として開創。 禅師は曹洞宗を修めた中国元の高僧で、1309年、時の執権北条貞時の招きで来日し、1310年円覚寺第10世となり、暦応3年当寺にて遷化するまで、建長寺(18世)、寿福寺などの住職を務めた。江戸時代前期には40の塔頭があった。 現在は18寺の塔頭があり、そのうち住職のおられるところは13寺。 白雲庵はその中で最も古い塔頭である。

 天気が良ければ、ここから富士山が見えます。
 花崗岩の石段を上っていくと大谷石の石垣と花崗岩の石畳が綺麗な白雲庵があります。
 新しい本堂前には二つの五重石塔が建ち、石燈籠などの石の建造物が多く見かけられるお寺です。
 1340年(暦応3年)に亡くなり、曹洞宗(そうとうしゅう)であった10世東明慧日(とうみんえにち)の塔所で、宝冠(ほうかん)釈迦如来(しゃかにょらい)像と南北朝期の肖像彫刻の傑作である東明禅師坐像(国重文)があります。


 鎌倉市教育委員会発行「かまくら子ども風土記(13版)」より


 禅宗の『五観(かん)の偈(げ)』という教えを超訳でご紹介すると、

1)食べるものがどうやってつくられて、私の口に入ることになったのかを考えてみよう。
2)私に、この食べ物をいただくだけの価値があるのか、考えてみよう。
3)間違った行いをしない、必要以上にほしがらないと、自分に約束しよう。
4)正しい食べ物は薬のようなもの。からだを健康に保つために食事をしよう。
5)今、私がこの食べ物をいただくのは、求めることを達成するためなのだ。
◎禅宗の教えを簡潔にあらわすと、

・言葉や文字によらず(不立文字)
・経典によることもなく(教外別伝)
・師と弟子との直接的な関わり合いのなかで、自分自身の心そのものをつかみ出し(直指人心)
・自らの心のなかの仏性を見出して(見性成仏)

直感的な悟りの境地へと至ることをいう、ということ。
◎禅的身心健康十原則

 少肉多菜 少塩多酢
 少糖多果 少食多齟
 少衣多浴 少車多歩
 少煩多眠 少怒多笑
 少言多行 少欲多施

という“健康十原則”を掲げています。




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