伝統工芸品の技術を障害者支援の事業所へ
作業所が「取り組んできたこと」へ
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伝統工芸品の継続的な体制づくりのため、グラウドファンディングで設備資金調達の準備をしております。
 地域との繋がりを目指し、月1回バザーを行っています。
 一般企業に就労するための「知識」や「技能」の向上に必要な訓練 そして何よりも大事にしていることは、仕事仲間たちと心地よく安心して過ごせる「ホッとする」居場所づくりです 。

 はじめまして、神奈川県厚木市にある特定非営利活動法人厚木つばきの会の横見守明と申します。

  厚木つばき作業所は、平成27年8月1日に厚木市飯山に開所いたしました。 作業所は、大山や丹沢山系を望む静かな環境の中で、就労継続支援B型事業として、障害を持ち一般企業や商店等での就労が困難な方に、働く場を提供すると共に、就労する為の知識や技能の向上に必要な訓練を行っています。
 大山こまの紐作りがきっかけで知った、芸品職人さんが絶滅してしまう可能性。なんとができないかと考え始めました。

  作業所の中でみなさんが心地よく労働に携わることができるように通所者の皆さんに行っていただいている軽作業に 紐づくりがあります。 作業所のメンバーと通所者のみなさんが 苦労を重ねて完成した組紐の品質はとても良く たまたまのご縁で製品を持ち込んだ大山独楽の職人さんの目に留まり それ以来 定期的に紐の発注を頂けるようになりました。

  元々 大山独楽に使われていた組紐は 現在では職人さんが少なくなり 最近は在庫を消化している状態でした。
大山こま職人 金子屋さま
 紐だけでなく 独楽自体も 赤字が常態化する厳しい現実の前に 技術を学びたい若い人が  職人さんの後継者を目指しにくく 今後の伝統継承への大きな障壁になっている実情をその時に知りました。

 現在 日本では長年人から人に受け継がれてきた工芸品が 後継者不足のために その伝統の灯を失ってしまう傾向が顕著になっています。
 私の親戚でも 長年 ほうき作りを行ってきたものがおりますが せっかくの技術を持ちながら 高齢の為 後継者を持たないまま 引退する見込みです。

 このような現状を鑑みて ふと気づきました。
 ずっと先になるかもしれませんが つばき作業所で作業をする皆さんが 今よりもっと技術を取得できるようになれば このような失われかねない日本の伝統工芸の維持継承に役立てるようになるかもしれない と。
 勿論 作業者の皆さんが実際に行える作業には物理的な制限もあります。お金も潤沢にはないのが現実です。

  しかし 幸い つばき作業所には メーカー勤務を経た経験豊富なアイデアマンの職人さん達が在籍してくれています。 例えば 作業者の皆さんの作業を容易にするため 彼らが廃材を利用した治工具を製作しました。それは廃品から繊維を回収する作業に利用されています。

  日本の失われかけている伝統工芸の幾つかがが つばき作業所のみなさんの手により 命を吹き返せるようになるかもしれない。大きな挑戦かもしれませんが そのような思いを温めているところです。
 今は組紐作りが中心になっていますが 行く行くは ほうき作りなどの伝統工芸技術を作業に取り込んでみたいとも考えています。

  そんな将来構想のひとつになりますが この数年 つばき作業所の職人チームでは 独自の製品 「立志独楽」 の企画構想を行っています。

  組紐の納品でご縁を得た大山独楽の職人さんが とても快く 独楽作りの技術をつばき作業所の職人たちに伝授してくださったことがその背景にあります。立志独楽は 回転する独楽がひとりでに倒立し 持ち手の軸が地面側に逆転して回転しつづける からくりの妙があるおもちゃです。グッドデザイン賞選考の最終受賞手前まで進んだことから 商品性に優れています。特許も取得しております。 みずきの木を切削加工して作られるこの独楽には いうまでもなく 大山独楽製作のノウハウが活きています。
伝統工芸品のこま
 つばき作業所を軌道に乗せなければ と 後がない思いで 色々な場に飛び込み 試行錯誤を続けていく中で お知り合いになれた皆さんが つばき作業所に様々な形で力を貸してくださっていると感じています。

 このように つばき作業所の 伝統工芸品の技術継承への活動がもっと進み ゆくゆくはオリジナル製品の製造販売が実現した暁には 通所者の皆さんが 自らの労働を通じて 喜びと居場所と収入を得ることもができる という循環が揺るぎのないものになると信じています。
横 写真説明
 ただ 私どもの足元の課題は つばき作業所で保有する木工旋盤装置が老朽化し 立志独楽を含む商品群の試作や検討が困難になっている点です。

  もともと中古品を購入し 大事に使用してきたのですが いまは加工物をチャッキングする際の位置出し精度が劣化しています。 この旋盤をもう少し精度のよいもので置き換えたいのですが 生憎その余裕がないのが現状です。

  普段から良くして下さっている地域の中小企業診断士の皆さんと 何度も議論を重ね クラウドファンディングを利用し この課題を解決できないかという結論に至りました。
横 写真説明
 伝統技術継承から同時製品の販売を目指し、障害を持つ利用者さんたちに安定した収入とものづくりを通したやりがいと喜びを。

  今回のプロジェクトでは、みなさんからご支援をいただいて「独楽(こま)」の製造に必要な旋盤2台と、障がいを持つ利用者5-6名が作業できるための倉庫型作業スペースの構築のために資金を必要としています。

 「大山独楽」の技術継承への活動がもっと進み ゆくゆくはオリジナル製品「立志独楽」の製造販売が実現した暁には 通所者の皆さんが 自らの労働を通じて 喜びと居場所と収入を得ることもができる という循環が揺るぎのないものになると信じています。
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