庚申の日とは
人間の体内には三尸(さんし)と呼ばれる三匹の虫がおり、庚申の日になると、人が眠っている間に体外に抜け出し、天に昇って、その人の罪悪を天帝に告げ、早死にさせるといわれていた。
眠らずにいれば、三尸は天に昇れない。そこで昔の人々は庚申の日には神々を祀(まつ)り、酒盛りなどをして夜を徹した。これを庚申待(こうしんまち)という。三尸の説は中国の道教に由来する。
日本にはかなり古くに伝わっており、平安時代の初期には上流の人々の間で庚申待が行なわれていた。
室町時代になると僧侶によって庚申縁起が作られ、しだいに仏教的になり、一般の人々に及んだ。江戸時代には、民間で盛んに行なわれるようになった。そして庚申の日のセックスは、タブーとされることになる。
江戸川柳には庚申の日のセックスを詠んだものがたくさんあり、人々がいかにそのことに関心があったかを物語っている。
庚申の日、タブーを犯して交合に及ぶ。そして妊娠すると、生まれる子は盗人になるといわれていた。有名な盗賊、石川五右衛門(がそのよい例とされている。