佐藤稲荷神社
厚木市上荻野  標高:105.8m
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 上荻野小字清田ケ谷に佐藤稲荷と呼ぶ稲荷社があります。神官佐藤太松氏の奉紀するもので、参道には赤い鳥居が数十基建てられて、その奥に稲荷社の社殿があります。この稲荷本社の向って右側に小さな絵馬堂がありますが、この中には多数の小絵馬が無造作に奉納されています。神官の許可を得て数えると、その数は153枚ありました。小絵馬の大部分が「おがみ絵馬」ですが、その他に「白狐」、「にわとり」、「向いめ」などがあます。これら多数の小絵馬は、荻野地方で養蚕が盛んな頃に、白まゆの豊作を祈願するために奉納さたものです。現在残っている小絵馬のほかにも多数の小絵馬が奉納されていましたが、多過ぎて「絵馬堂」に置ききれずに焼却したといいます。小絵馬の中に「め」の文字の書かれたものが一枚ありますが、これは眼病平癒を願して奉納されたもです。これの他に、本殿の中に奉納された絵馬の内で、眼病平癒祈願と同様な「め」の字の向い合った文字絵馬が一枚奉納されています。この絵馬は、他の祈願目的で奉納されたもので、佐藤神官の語るところによると、記名の某氏が昭和27年元旦に深い願いをこめてのもので、ある事業遂行のために、「事業が成功しますように、事業に芽が出て成果をおさめますように」と、「め」の文字を記して奉納したということです。
 千社札、絵馬、記念額など社寺に奉納されているものは、庶民文化のあらわれとして、今後も永く続いていくことでしょう。
 「厚木の観光ポケットブック」(厚木市観光政策課発行)
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