山脇神社(祭神は大山津美之神)
尾道市東久保町  標高:30.4m
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サルたちがお礼に宝物をくれました。「これは猿の一文銭といって、世にも大切な宝物ですが、命の親様に差し上げます。これを祀っておくとお金持ちになります」 本当にお猿が言った通りでありました。家では婆が、年の暮れだというのに、木綿も売らずに爺が帰ってきたので、さんざんに怒りましたけれども、サルの一文銭のおかげで、わずかな間に金持ちになりました。ところが近所に良くない人がおって、急に爺婆が金持ちになった理由を聞いて、知らない間にその宝物を盗んでしまいました。 爺と婆とはびっくりして、
「サルと猫とネズミ」という話しが鳥取県八頭郡(因幡童話)にあります。

 むかしむかしあるところに、爺と婆とがおりました。婆は精出して木綿を織ると、それを爺が風呂敷に入れて、ほうぼうの町を売り歩いていました。ある日、爺は木綿を売りに出て、一人で山道を帰ってくると、はるか向こうの山の木に大きなサルがいるのを、猟師が鉄砲を持って打とうしておりました。雌サルは手を合わせて、こらえてくれという様子をして拝んでおりました。かわいそうなことをすると思って止めに行きますと、思わず鉄砲がそれて、
爺は肩先を撃たれました。猟師はとんだことをしたと思って逃げてしまいました。そうするとどこからともなく多くの子猿が現れて、一生懸命に介抱をしてくれました。そうしてサルの家へ連れて行ってたいそうなご馳走をしたそうです。
「婆が心配しているからもう帰る」と言いますと、






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ほうぼうを訪ねてみましたがどうしてもありかがしれません。そこで家で飼っている玉という猫を呼んで、「玉よ、サルの一文銭を三日のうちに探してこい。探してきてくれたらご褒美だ。捜し出さなければこれだと言って、光る短刀を抜いてみせました」。猫はこれを聞いてすぐ飛び出して、一匹のネズミを捕まえて言って聞かせました。「ネズミよ、うちの神様の宝物がなくなった。三日のうちに見つけてこい。見つけてくれるならば助けてやる。もし見つけない
と尻尾まで食べてしまうよ」と言いました。
 ネズミは食べられると大変だから、三日間近所の家々を回ってサルの一文銭を探しました。そうしてしまいに隣の悪者の家のタンスの中にあるのを見つけて、引き出しをかじってそれを取り出し、持ってきて玉に渡しました。玉は喜んでそれをくわえて爺様に渡しました。爺も婆も猫の玉もネズミも共々に大喜びで、みんながみんないつまでも繁昌しました。めでたし、めでたし。 鳥取県八頭郡『因幡童話』)




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